プレコンセプションケア

更新日:2025年11月20日

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「プレコンセプションケア」とは

プレコンセプションケアのプレは「より前の」、コンセプションケアは「妊娠・受胎」のことで、「妊娠前からの健康づくり」を意味します。

プレコンセプションケアとは、現在のからだの状態を把握し、将来の妊娠やからだの変化に備えて、健康に関する正しい知識や習慣を身につけることです。

WHO(世界保健機構)が「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しています。

プレコンセプションケアの目的

  1. 若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと
  2. 若い世代の男女が将来、より健康になること
  3. より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること

プレコンセプションケアが必要とされている理由

リスクのある妊娠の増加

若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。

不妊の増加

「生理不順を放置していた」「生理痛を我慢していた」等が将来の不妊の原因になることがあります。

性に関する知識の不足

女性は、生まれる前から体の中に卵子を持っていますが、年齢とともに質が低下し、数も減少します。いつでも妊娠できる、と考える方もいるかもしれませんが、30代以降は徐々に妊娠しにくくなり、流産のリスクも高くなります。
男性も、年齢とともに精子の質や運動率が低下していきます。

子どもを持つ選択をするかしないかに関わらず、若いうちからの健康的な生活習慣の積み重ねにより健康は培われていきます。

プレコンセプションケア

国立研究開発法人国立成育医療研究センターホームーページ「プレコンセプションケアセンター」より引用

プレコンセプションケア・チェックシート

今の自分の健康状態について振り返ってみましょう!

国立研究開発法人国立成育医療研究センターホームページより引用

プレコンセプションケアを始めましょう

プレコンセプションケアは妊娠だけに関わる話ではありません。
若い世代が自ら健康管理できるようになることは、生涯にわたって「質の高い生活」を送ることにもつながります。

1.適正体重を守りましょう

18歳から49歳の女性の適正体重の範囲は、BMI値で18.5から24.9です。やせ(18.5未満)は貧血や将来の骨粗鬆症の原因になり、肥満は糖尿病や高血圧など様々な病気のリスクを高めます。やせも肥満も不妊や妊娠、出産のリスクが高くなるため、適正体重の維持を心がけましょう。

自分のBMIを確認してみましょう。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

2.食生活を整えましょう

栄養バランスのよい食事をしましょう

若い女性は、たんぱく質、カルシウム、食物繊維等が不足して、「低栄養」の傾向があります。

栄養不足によるやせは、貧血、肌荒れ、骨密度の筋力の低下などを引き起こします。月経不順や不妊、低出生体重児(2500g未満で生まれた赤ちゃん)の原因になることがあります。毎回の食事に主食・主菜・副菜がそろうように意識して食べるとバランスが良くなります。できるだけ栄養バランスが整うように心がけましょう。

妊娠前から葉酸をとりましょう

葉酸は胎児の細胞分化に不可欠なビタミンで、ブロッコリー、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。日ごろから意識して摂取しましょう。

3.適度に運動をしましょう

1週間あたりの運動量は150分ほどが目安となります。運動習慣のない人は今よりも10分多く歩く、早歩きをする、筋トレやヨガをするなど、できることから始めてみましょう。

4.禁煙し、受動喫煙を避けましょう

たばこはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こします。妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産や早産、低出生体重児などのリスクを高めます。身近な人にも禁煙をお願いしましょう。

5.アルコールは控えめにしましょう

「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均の純アルコールで20g程度です。これは、ビール(5パーセント)500ml、日本酒1合、チューハイ(7パーセント)350ml缶1本などに相当します。(厚生労働省「健康日本21」)
女性は男性に比べてアルコールのダメージを受けやすい傾向があるため、その半分がいいと言われています。
アルコールは胎盤を通過して赤ちゃんにも影響し、流産・早産・胎児性アルコール症候群などのリスクが高まります。妊娠したら禁酒しましょう。

6.ストレスをため込まないようにしましょう

過度なストレスは不安や抑うつの原因になります。ホルモンバランスの乱れや生理不順の原因となるため、ストレスをため込まないよう自分なりのストレス解消法を見つけておくことが大切です。
辛い気持ちになった時には、ひとりで抱え込まず、家族や友人に相談したり、相談窓口もご利用ください。

7.睡眠をしっかりとりましょう

質の良い十分な睡眠は、ホルモンバランスを整え、疲労を回復しストレスを解消する働きがあります。
6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保し、生活習慣を見直してみましょう。

 

8.若い時から検診やワクチンを受けましょう

がん検診

子宮頸がんは、若い人でもかかりやすい病気です。

20歳を超えたら、2年に1回は健診を受けることをお勧めします。

また、毎月の月経時の経血の量や痛みなど、いつもと違う、気になる症状等があったときは、早めに婦人科・産婦人科を受診しましょう。

自分の体に注意して、早めに対処することは、将来の妊娠も含めた健康管理に非常に大切です。

感染症・ワクチン

性感染症は、性的接触を介して誰もが感染する可能性があり、若い人の間で増えています。コンドームを使用するなどの感染対策を心がけましょう。

気をつけたい感染症

  • 性器クラミジア
    男性は排尿痛や尿道から膿みが出ることがありますが、女性は自覚症状がないため感染が長期化しやすいです。卵管が閉塞・癒着することがあり、不妊の原因となることがあります。
  • 梅毒
    近年、梅毒の流行が拡大しています。性器のしこりなどの症状があります。妊婦が感染すると、胎盤を通して胎児にも感染し、死産や早産になったり、赤ちゃんの神経や骨などに異常をきたすことがあります。
  • 風疹
    妊娠中(特に妊娠20週まで)にかかると、赤ちゃんが心臓の病気や白内障、難聴を患うリスクが高まります。パートナーや家族もワクチン接種をして、妊婦さんに感染させない環境づくりが大切です。
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)
    子宮頸がんの原因となります。予防のため、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を受けましょう。

関連情報

この記事に関するお問い合わせ先

子育て支援課母子保健担当
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電話:0480-92-1111
0480-31-9162(直通)
メール:kosodate@city.shiraoka.lg.jp
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