受付日 令和8年6月3日「市長への手紙」の内容と回答 白岡市の将来都市像と公共交通政策に関する提言について
白岡市の将来都市像と公共交通政策に関する提言について
— 道路整備偏重から持続可能都市への転換を求める —
白岡市議会 埼玉県にも回付を求む
はじめに、現在、白岡市では都市計画道路整備が進められている。しかし、市民の立場から見ると、その整備が白岡市の将来にどのような意味を持つのか、極めて不透明である。
人口が大幅に増加している訳ではなく、急激な都市拡大も見込めない状況下において、従来型の道路中心都市計画を継続する合理性については、大きな疑問がある。
特に問題なのは、白岡市が将来どのような都市を目指しているのか、市民に対して十分な説明が行われていない点である。
道路を整備すること自体が目的化しており、
・どのような市民生活を実現したいのか
・高齢化社会にどう対応するのか
・自動車依存をどう考えるのか
・公共交通をどう位置付けるのか
といった、最も重要な議論が見えない。
本提言は、現在の道路偏重政策を見直し、白岡市を「持続可能な公共交通型都市」へ転換することを求めるものである。
1. 白岡市の本当の問題は「道路不足」ではない
白岡市における最大の構造問題は、単純な道路不足ではない。
根本問題は、JR宇都宮線による都市分断である。
白岡市は、宇都宮線によって東西が物理的・心理的に分断されている。
現在進められている道路整備は、この分断を補うために、
・側道
・接続道路
・陸橋
・アンダーパス
を増やす方向で行われている。しかしこれは、根本解決ではなく、あくまで部分的・対症療法的な対応に過ぎない。
本来必要なのは、
・駅を中心とした都市構造再編
・公共交通ネットワーク形成
・人の流れを作る政策
である。
にもかかわらず、現在の政策は「車を通すための道路整備」に偏っている。
これは、昭和型の拡大型都市政策から脱却できていないことを意味している。
2. 人口減少・高齢化時代における道路偏重政策の限界
高度経済成長期においては、
道路整備
↓
自動車流入
↓
郊外開発
↓
人口増加
という循環が成立していた。しかし現在は状況が全く異なる。
白岡市も既に、
・高齢化
・人口伸び悩み
・財政制約
・インフラ維持費増大
という問題を抱えている。
そのような時代において、従来型道路投資を続けることは、本当に持続可能なのか、再検証が必要である。
特に高齢社会では、「道路を広げること」より、「車がなくても生活できること」の方が重要になる。
しかし現在の白岡市には、白岡その視点が極めて弱い。
3. 市の公共交通政策の弱さ
現在の白岡市は、公共交通政策が極めて脆弱である。
例えば、隣接する蓮田市では、蓮田駅と市役所を結ぶ路線バスが存在している。
一方、白岡市では、
・駅(2駅を有しながら、快速停車せず、当地転居したときと比べ、本数が激減している)
・市役所
・病院(レベルが低い)医療機関の不足とレベルの低さ・偏在
・商業施設(存在自体が怪しい)
を結ぶ固定公共交通軸が弱い。
その結果、
・高齢者
・車を利用できない市民
・免許返納者
は移動困難を抱えやすい。
現在のデマンド交通やタクシー的発想は、個別対応としては一定の意味を持つが、「都市の骨格」を形成することはできない。
都市構造を変えるのは、
・鉄道
・バス路線
・BRT
・LRT
などの固定交通軸である。現在の白岡市には、その発想が不足している。
4. 白岡市が目指すべき将来像
白岡市が今後目指すべきは、
「道路拡大型都市」ではなく、「駅中心公共交通型都市」である。
具体的には、
・白岡駅周辺への機能集約
・公共交通による回遊性向上
・高齢社会対応
・徒歩圏生活の強化
を軸とするべきである。これは単なる理想論ではない。
現在、日本全国で、
・コンパクトシティ
・公共交通重視
・脱車依存
への転換が進んでいる。白岡市だけが、従来型道路中心政策を続ける合理性は乏しい。
5. 第一歩として必要な政策
最初から大規模 LRT を建設する必要はない。
まず必要なのは、
「小さくても固定交通軸を作ること」である。
具体的には、
白岡駅-市役所-病院-商業施設循環交通の創設を提案する。
方式は、
・小型 EV バス
・小型循環バス
・低頻度運行
でも構わない。
重要なのは、「公共交通を日常化すること」である。これは単なる移動手段ではない。
将来的な都市構造転換の第一歩である。
6. 埼玉県全体の問題としての東西交通
埼玉県の鉄道網は、歴史的に「東京へ向かう南北放射型」で形成されてきた。そのため、埼玉県内同士の東西移動が極めて弱い。
実質的な東西鉄道は武蔵野線に依存している。これは県全体の構造問題である。
今後は、
・大宮
・蓮田
・白岡
・久喜
・栗橋
などを含む、宇都宮線沿線の広域交通政策を検討すべきである。
7. 宇都宮 LRT が示した可能性
宇都宮市では、LRT 導入により、
・東西交通強化
・駅周辺再整備
・公共交通利用増加
が進んでいる。
当初は反対意見も多かったが、
・高齢社会対応
・脱自動車依存
・都市再編
という観点から評価されつつある。白岡市が直ちに LRT を導入できる訳ではない。
しかし、「公共交通中心で都市を考える」という発想自体は、十分参考に値する。
8. 市民参加と説明責任
都市計画は、市民生活と財産権に大きな影響を与える。
従って行政には、
・将来人口推計
・費用便益比
・維持管理費
・必要性
・代替案比較
を、市民へ丁寧に説明する責任がある。
特に都市計画道路については、「なぜ今それが必要なのか」を明確に示す必要がある。
単に、「昔決まったから進める」では、市民理解は得られない。
結論
白岡市が直面している問題は、単なる道路不足ではない。
本当の課題は、「どのような都市を将来世代へ残すのか」である。
これから必要なのは、
・道路偏重
ではなく、
・公共交通重視
への転換である。
そしてその第一歩として、
「白岡駅ー市役所固定交通軸」の創設を強く提案する。
小さな一歩であっても、
・高齢社会対応
・公共交通文化形成
・都市構造転換
・他隣接市町村への喚起
へ繋がる可能性がある。
白岡市には、今こそ「将来像」を市民へ明確に示すことを求めたい。
参考資料:白岡市都市計画マスタープラン
白岡市地域公共交通計画
国土交通省 コンパクトシティ政策
宇都宮 LRT 関連(国交省)
回答
いただきました御提言につきましては、多様な御意見のひとつとして、関係各課にて内容を拝読し共有させていただきました。
まちづくりにおける道路整備は、緊急車両の通行路確保や安全性向上の観点から、市民の安心を守るための不可欠なインフラ基盤であると認識しております。
また、お手紙にありました公共交通の定時性確保につきましても、市民の皆様の移動を支える重要な課題であると認識しております。
今後も道路整備と公共交通のバランスを考慮した計画的なまちづくりに努めてまいりたいと存じます。
あわせて、まちの将来像を見据え、計画決定された都市計画道路を整備するのみにとどまらず、適宜見直すとともに、持続可能な公共交通の確保に取り組んでまいりたいと存じます。
なお、御要望のありました他機関への回付につきましては、本制度の運用上、当市からの直接の回付はいたしかねます。
恐れ入りますが、各機関へ直接御意見を提出される場合は、それぞれの窓口へ直接お問い合わせください。



更新日:2026年07月17日