令和7年度市政運営に関する基本的考え方

更新日:2025年03月25日

ページID : 8546

1 はじめに

令和7年度の市政運営に関する基本的考え方につきまして御説明申し上げます。
令和7年を迎えた今、我が国は様々な課題に直面しております。昨年の元日に発生した能登半島地震の被災地においては、追い打ちをかけるような水害に見舞われ、まさに自然の脅威を見せつけられたところでございます。その爪痕は1年以上経過しても一向に癒えず、日常を取り戻すことができない多くの被災者がいらっしゃることは、自然災害が改めて私たちに防災・減災の重要性を突きつけているところでございます。
また、少子高齢化の進行、地域経済の活性化、物価高騰への対応、エネルギー問題など、地方自治体として取り組むべき課題は山積しております。さらに、デジタル化の推進や環境問題への対応も急務となっています。
さて、現在開会中の第217回通常国会に提出されております令和7年度予算案につきましては、一般会計の総額は115兆5,415億円ということで、今年度の当初予算を2兆9,698億円上回り、過去最大規模となりました。
政府は、令和7年度予算を「令和6年度経済対策・補正予算と合わせて、『賃上げと投資がけん引する成長型経済』へ移行するための予算」と銘打ち、主に、重要政策課題への対応、経済再生と財政健全化の両立経済・物価動向を反映した予算編成、「歳出の目安」における経済・物価動向への配慮、の4点を予算のポイントに掲げております。
本市といたしましても、市民の皆様が引き続き厳しい状況におかれている物価高騰対策や、子育て環境の充実など、地域の実情に沿ったきめ細やかな行政サービスにしっかり取り組むことができる予算となるよう、国の動向を十分注視してまいりたいと存じます。

2 基本方針

こうした状況の中、本市が持続可能な発展を遂げ、市民の皆様が安心して暮らせるまちを築いていくために、私は「信頼」、「現場第一」、「変革」の三つを基本姿勢とし、一つひとつの施策を着実に進めてまいります。本議会定例会では、令和7年度の当初予算案をはじめ、市政の重要な課題について議論いただくことになります。議員の皆様には、活発な御審議をお願い申し上げます。
それでは、本市が現在直面している課題と、それに対する今後の取組について、重点的に申し上げます。
1点目といたしまして、防災・減災対策の強化でございます。
何と言いましても、我が国は災害大国でございます。幸いにして本市を含む地域では、近年大災害は発生しておりませんが、災害はいつどこで発生するか分かりません。日々全国各地で発生している災害を見ますと、「想定外」という言葉では済まされない事態がいつどこで発生するかわからないことを痛感しております。「備えあれば憂いなし」とのことわざがありますが、「備えすぎても、まだなお憂うべし」と言えるほど、自然災害は怖いものだと思います。本市といたしましても、首都直下型地震や南海トラフ地震などの近い将来予想される激甚災害や、毎年懸念される水害に備え、防災・減災対策の強化を図る必要があります。
具体的には、備蓄品の充実、福祉避難所の拡充などによる避難所の環境整備、市民参加型訓練の充実などによる地域の防災訓練の強化、SNSの活用などによる災害時の情報伝達手段の見直し、公共施設や民間住宅の耐震診断・改修補助制度の充実などによる耐震化の推進などの施策が挙げられます。
これらの施策を通じ、市民の皆様が「いざという時に安心できる」体制づくりを推進してまいります。
2点目といたしまして、少子高齢化対策と地域活性化でございます。
現在、我が国全体で少子高齢化が急速に進行しており、本市においても例外ではありません。出生数の減少と高齢者人口の増加により、行政サービスの在り方を根本から見直す必要性に迫られております。
本市では、保育施設の整備、病児保育の拡充、育児相談の強化などによる子育て支援の充実、介護サービスの充実、地域包括ケアシステムの推進などによる高齢者福祉の向上、住宅支援、空き家対策などによる移住・定住施策の促進などを柱として、住みやすいまちづくりを進めてまいります。
また、地域経済の活性化にも力を入れ、地産地消の推進、イチゴノオカに代表されるスマート農業の導入支援などによる農業の振興、地元企業との連携強化、創業支援の充実などによる商工業の支援、特産品のブランド化、イベントの開催などの観光振興といった施策を進め、市の魅力を高めてまいります。
3点目といたしまして、物価高騰・エネルギー問題への対応でございます。
昨今の国際情勢の影響により、エネルギー価格の高騰や物価の上昇が続いております。市民の皆様の生活に直結する問題であり、本市としても迅速かつ的確に対応していく必要があります。
生活困窮者向け給付金の支給による低所得世帯への支援、融資制度などによる中小企業支援、再生可能エネルギーの活用、ゼロカーボンシティの推進などによる省エネルギー施策を推進し、市民の皆様の負担を軽減できるよう努めてまいります。
4点目といたしまして、デジタル化と行政サービスの向上でございます。
社会全体のデジタル化が加速する中、本市においても行政サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、市民の皆様にとってより便利で効率的な行政運営を目指します。
行政手続きのオンライン化、マイナンバーカードの普及促進などにより、「一人ひとりのニーズに合ったサービスが選択できる、人に優しいデジタル化」を図り、誰もが取り残されることのない、便利で公平な社会の実現を目指してまいります。
この後御説明いたします令和7年度予算案につきましては、「都市基盤・交通ネットワークの充実」、「誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進」、「農業・商工業のまちの推進と持続可能な行財政運営」の3つの分野に重点を置き、長期的展望におけるまちづくりと持続可能で安定した行財政運営を目指した未来志向の予算編成をいたしました。
私は、安定的で信頼される行財政運営を推進し、誰一人取り残さない持続可能でより良い社会を実現するため、各種施策をスピード豊かに進めてまいる所存でございます。

3 令和7年度予算案について

以上の方針や状況を踏まえて、この度、編成いたしました令和7年度一般会計当初予算案は、198億9,800万円となりました。
これは、前年度と比べて、額で19億4,000万円、率にして約10.8%の増となっております。
この一般会計当初予算案に各特別会計、公営企業会計の当初予算案を加えますと、総額328億908万2千円となり、前年度と比べて、額で17億4,841万5千円、率にして約5.6%の増となりました。
物価高騰の影響が長期化し先行きを見通すことが依然として困難な状況ではありますが、優先すべき事業を厳選し、限られた財源を長期的展望におけるまちづくりに寄与する大規模事業や真に必要とされる分野へ振り向けたものでありまして、厳しい財政状況が続く中におきましても、最大限の市民サービスの向上を目指しまして、予算編成したところでございます。
これより、令和7年度当初予算案における主な事業を中心に御説明申し上げます。
はじめに、健康・医療・福祉施策でございます。新たに白岡市医師会と連携して胃がん内視鏡検診を導入するほか、包括的な支援体制の整備に向けて令和4年度から移行準備を進めてきた「重層的支援体制整備事業」について本格実施してまいります。
次に、子育て支援・教育施策でございます。本市の教育を将来にわたり魅力的で持続可能なものとするための学校適正規模・適正配置に向けた取組として将来ビジョンを策定するほか、小中学生保護者の負担軽減策として、学校給食費の改定に伴う増額分の補助を行うなど、子育て支援の充実を図るものであります。
次に、生活安全施策といたしましては、指定避難所となっている市内小中学校などの体育館に空調設備を設置し、防災機能の強化を図るほか、災害時に備えた防災用品の備蓄、防災訓練の実施や自主防災組織育成事業を引き続き実施するなど、地域防災力の強化、防災体制の充実を図ってまいります。
次に、産業・雇用施策につきましては、県の実施する埼玉型ほ場整備事業を活用し、水田農業を将来的に維持していくために、農地集積に必要な基盤整備を進めるなど農地利活用の促進を図るものであります。
次に、都市基盤整備施策といたしましては、年度内の都市計画道路白岡宮代線の開通を目指すとともに、令和13年度の都市計画道路白岡駅西口線の全線開通へ向けて白岡駅西口駅前広場との一体的な整備を推進してまいります。
次に、自治体DXの取組の推進につきましては、基幹系業務システムの標準化及びガバメントクラウドへの移行を図るものであります。
また、設置から30年以上が経過した本庁舎防火設備の更新及び白岡市保健福祉総合センターの長寿命化改修を行うほか、第6次白岡市総合振興計画前期基本計画が令和8年度で終了することに伴い、まちの将来像の実現に向けて、令和7年度と令和8年度の2か年で後期基本計画の策定を進めるなど、本市のより一層の発展を図ってまいります。
以上、令和7年度予算案について御説明申し上げました。
私といたしましては、引き続き厳しい財政状況ではありますが、これまで積み上げてきた事業を礎に、更なる飛躍を遂げるため、必要な事業に大きく投資する積極的な予算編成を行ったものでございます。 

4 結び

新年度のスタートにあたり、市政運営に対する私の所信の一端と主な施策の概要について御説明申し上げました。
地方自治体を取り巻く環境は、年々厳しい状況となっておりますが、市民の皆様が安心・安全に暮らし、活力にあふれ未来へと成長する白岡を築いていくため、私は、現場第一主義で自らが泥臭く全力で汗を流し、職員の先頭に立ち、市政運営に力を尽くしてまいります。
結びに、市民の皆様をはじめ、議員の皆様には市政進展に、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、市政運営に関する基本的考え方とさせていただきます。