縄文時代の住居跡と古代の炭焼窯跡を発見!(山遺跡第12地点)
平成27年5月7日から29日までの約1か月間、分譲住宅の建設工事に先だち、山(やま)遺跡(第12地点)の発掘調査を行いました。
山遺跡は白岡地区に所在し、過去の調査から縄文時代中期(約4,000年前)の住居跡(じゅうきょあと)が多数発見されるなど、同時期の大規模集落として把握されています。

調査区全景

発掘作業状況
今回の調査では、縄文時代中期の住居跡が計2軒検出されました。住居跡の中央にはいずれも煮炊き等に使用された炉跡(ろあと)が認められました。2軒の住居跡の内、1軒は縄文土器片を炉枠(ろわく)として使っていました。もう1軒の住居跡では、縄文土器片と石によって炉の周囲が三重に取り囲まれていました。炉を囲んでいた石は、石棒(せきぼう)や石皿(いしざら)などの石器が炉枠として転用されたものでした。
白岡市域の石囲いの炉の多くは、使用後に石を抜き取ってしまうことが多いのですが、今回の調査では、炉枠の石が残存した状態で発見することができました。今回の調査で発見された炉跡は、縄文時代当時の炉の使用状態を示す良好な資料であると言えるでしょう。

住居跡

炉枠に使われていた土器と石器
調査区の北側では炭焼窯跡(すみやきかまあと)が発見されました。この炭焼窯跡は隣接する過去の発掘調査でも検出されており、今回も発見が期待されたものです。過去の調査のものの南半部に当たり、窯に火を入れる焚口部分と、窯へと続く入口であるスロープ部分(斜面)が確認されました。炭焼窯跡の年代を直接的に示す土器などの遺物は出土しませんでしたが、過去の調査で炭焼窯跡内出土炭化材の自然科学分析(年代測定)を実施しており、炭焼窯の操業年代が8~9世紀であったという結果を得ています。

炭焼窯跡

炭焼窯跡の土層堆積
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更新日:2023年01月31日