古墳時代前期の住居跡から大型壺が出土しました!(茶屋遺跡第7・8地点)
令和3年11月2日から12月23日までの約2か月間、分譲住宅と個人住宅の建設工事に先だち、茶屋(ちゃや)遺跡(第7・8地点)の発掘調査を行いました。
調査区南半部全景
発掘調査の様子
茶屋遺跡は、白岡地区に所在し、過去の調査では、特に縄文時代前期(6,000~5,000年前)と古墳時代前期(約1,700年前)の調査成果があがっています。
今回の調査では、古墳時代前期の住居跡を3軒発見しました。第1号住居跡では、土師器(はじき)片とともに、漁で使う網の錘(おもり)である土玉(どだま)が多く出土しました。第2・3号住居跡は、他の遺構によって一部壊されているとともに、西半部が調査区外に延びているため、残念ながら住居跡全体を調査することはできませんでした。
第1号住居跡
第2号住居跡
縄文時代の遺構としては、縄文時代早期(10,000~6,000年前)の屋外炉の痕跡である炉穴(ろあな)を4基確認しました。掘り下げた穴の中に焼土の広がりが認められ、調理施設として使用されたものと考えられています。
第3号住居跡
炉穴(屋外炉跡)
第2号住居跡からは、大型の壺形土器が出土しています。住居跡内で1点の壺が砕け、口縁部や胴部の大破片が散乱したような状態で見つかりました。大型壺の口縁部や肩の部分には網目状撚糸文(あみめじょうよりいともん)と呼ばれる文様が認めれるとともに、赤く塗られている部分が確認できます。
大型壺はその形態的特徴から、弥生時代終末期から古墳時代前期初頭のものである可能性が考えられます。白岡市域では明確な弥生時代の遺跡が確認されていないため、今回の調査成果は、市の歴史の空白部分を埋める重要な発見となる可能性があり、今後の整理作業に期待が寄せられます。
大型壺口縁部
大型壺胴部
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更新日:2023年01月31日