中世館跡の防御施設を発見しました!(入耕地遺跡第16地点)

更新日:2023年01月31日

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 令和3年5月18日から10月8日までの約5か月間、分譲住宅建設工事に先だち、入耕地(いりごうち)遺跡(第16地点)の発掘調査を行いました。

周りに住宅街があり、調査区の地面に所々穴や溝があるのが見られる調査区全景を写した写真

調査区全景

5名の作業員の方が横一列に並び、地面に座って作業を行っている写真

発掘調査の様子

 入耕地遺跡は、白岡地区に所在し、過去の調査で、縄文時代を中心に多くの住居跡(じゅうきょあと)が発見されたほか、縄文時代後・晩期(4,000~2,300年前)の環状盛土(かんじょうもりど)や中世(800~400年前)の館跡(やかたあと)が発見されるなど、白岡を代表する遺跡として知られています。
 今回の調査地点は中世の武蔵七党(むさししちとう)の一つである野与党(のよとう)の鬼窪氏の拠点である「入耕地館跡」の内郭の北隣に位置します。過去に実施した内郭部分の調査では建物跡の柱穴(はしらあな)が多く見つかっています。今回の調査では、館跡の関連すると思われる溝跡(みぞあと)や柵列を構成すると思われる柱穴の列、土塁(どるい)状の高まりを発見しました。これらは入耕地館跡内郭の北側の守りとして構築された防御施設と考えられます。

 中世以外には、縄文時代中期(5,000~4,000年前)の袋状土坑(ふくろじょうどこう)が発見されたほか、縄文時代の後・晩期の集落由来の土器や土偶(どぐう)、石斧などの遺物が出土しました。

3列の溝が並んでいる様子がうかがえる溝跡の写真

幾重にも巡る溝跡

地面に丸い穴が開いている袋状土坑の写真

縄文時代の袋状土坑

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